春先は運動する機会が増え、前十字靭帯断裂やアキレス腱断裂などのスポーツによる大ケガが多いから?・・・か分かりませんが、先日(2020/4/27)、Yahoo!ニュースでアキレス腱断裂の治療方法に関する記事を見かけました。
記事のタイトルは「靱帯断裂、アキレス腱断裂…スポーツしないなら手術不要ってホント? 医師の答えは」というもの。膝の前十字靭帯断裂とアキレス腱断裂の治療方法に関して、どんな場合に手術をしてどんな場合にしないのか、治療法を選ぶ際のポイントについて、日本スポーツ医学財団理事長松本秀男医師の見解が3ページに渡ってまとめられています。
以下、ニュース記事のアキレス腱断裂に関わる部分を引用します。
靱帯断裂、アキレス腱断裂…スポーツしないなら手術不要ってホント? 医師の答えは〈dot.〉
スポーツのけがで身近なものに、ひざの「前十字靱帯(ぜんじゅうじじんたい)断裂」や足首の「アキレス腱断裂」があります。足を使うスポーツ選手にとって、靱帯や腱の断裂は「致命傷」。切れたところをつなぐ手術をして早期復帰を目指すのが当たり前かと思いきや、手術をしない保存療法で治す場合もあるといいます。どんな場合に手術をして、どんな場合にしないのでしょうか? 一般の人にも参考になる治療法を選ぶ際のポイントについて、日本スポーツ医学財団理事長の松本秀男医師に教えてもらいます。
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《前十字靭帯断裂については省略》
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次に、「アキレス腱断裂」についてみていきましょう。アキレス腱は足首の後ろ側にある、ふくらはぎの腓腹(ひふく)筋とヒラメ筋がかかとの骨につながる太い腱です。スポーツなどの活動中にここに強大な力が加わると断裂することがあり、バチンという断裂音がして衝撃を感じることもあります。その直後から、足関節の踏み返しが困難になり、歩けなくなります。
アキレス腱断裂の場合は、前十字靱帯とは違って、切れたままにしておくことはできません。アキレス腱をつなぐ治療法には、手術療法と保存療法の2通りがあります。じつはアキレス腱断裂については、「しっかり手術で縫って早く動かすほうがいい」という意見と、「侵襲の大きい手術をせずに保存療法をしたほうがいい」という意見とがあって、専門家の間でも議論があるのです。
スポーツや重労働をする活動性の高い人の場合は、手術をすすめられることが多いでしょう。手術の場合、断裂部を縫合、もしくは再建して、術後はギプスや装具で固定したのち、徐々にリハビリと筋力トレーニングをおこなっていきます。回復までの時間は、断裂の部位や腱の状態などによって異なりますが、通常は保存療法よりも早期に復帰できます。
前十字靱帯の場合は断裂したらそのままではつながりませんが、アキレス腱は足先を伸ばした状態でギプス固定することにより、待っていれば自然につながる可能性があります。そのため、保存療法が可能で、その治療成績は良好です。
ただし、手術療法より治療期間が長くかかり、数カ月から1年かかることもあります。再断裂の頻度が高いこと、また伸ばして固定している間に、筋力が低下し関節が縮こまって固まるといった問題点もあります。充実したリハビリ治療がおこなえる施設で保存療法を受けることが条件となります。
したがって、個々の患者においてアキレス腱をどれくらい使うか、日常の活動度、スポーツ種目は何か、復帰までの時間。持病のある人では手術した場合のリスクなどを考慮して、最終的に治療法を決めることになります。
以上、二つのけがについてお話ししてきました。皆さんにお伝えしておきたいのは、最善の治療法は、その人の年齢や活動度などに応じて人それぞれ違うということです。また、手術をすれば100%元通りに治るというわけではありません。痛みが残ったり、可動域が狭くなったりする可能性もないとはいえません。選択する治療法のメリット、デメリットをきちんと説明してくれる医師のもとで、治療を受けることが大切です。
引用元 – Yahoo!ニュース
アキレス腱をつなぐ治療法には、手術療法と保存療法の2通りがあり、専門家の間でも意見がわかれていると。
「しっかり手術で縫って早く動かすほうがいい」という意見と、「侵襲の大きい手術をせずに保存療法をしたほうがいい」という意見とがあるようです。
※侵襲(しんしゅう)
生体内の恒常性を乱す可能性のある外部からの刺激。外科手術、感染、中毒など。
上記記事の内容から、アキレス腱断裂の手術療法と保存療法に対する松本秀男医師の見解をまとめます。
- 回復までの時間は、断裂の部位や腱の状態などによって異なるものの、通常は手術の方が保存療法よりも早期に復帰できる
- アキレス腱断裂は、待っていれば自然につながる可能性があり、保存療法が可能で、その治療成績は良好
- 保存療法は手術療法より治療期間が長くかかり、数カ月から1年かかることもある
- 保存療法は再断裂の頻度が高い
- 保存療法は伸ばして固定している間に、筋力が低下し関節が縮こまって固まるといった問題点もあるため、充実したリハビリ治療がおこなえる施設で受けることが条件となる
保存療法の治療成績は良好と言うものの、回復までの時間、再断裂頻度、筋力低下と関節の柔軟性低下といった部分では、手術療法の方が良い、、、という感じ、ですね。
うーん、私としましては、、、
「保存療法の経験が豊富な医師or医療施設のもとで」という条件付きとなりますが、近年では装具の発達による再断裂リスクの低下、早期リハビリの開始などにより、保存療法でも手術療法とそれほど差は生まれないんじゃないかなぁと思っています。
しかし、実際は “充実したリハビリ治療がおこなえる施設” が多くはないことを考慮すれば、手術療法の方が成績は良い傾向になる、ということなんでしょうね。
記事の最後に書いてある「選択する治療法のメリット、デメリットをきちんと説明してくれる医師のもとで、治療を受けることが大切」という一文には、私も激しく同意します。
これはあくまで私の個人的な見解ですが、、、
手術療法、保存療法どちらにしても、アキレス腱断裂治療のゴールが、ただ「アキレス腱をつなげること」までだと、あまり良い治療成績にならないことが多いのではないかと考えています。
アキレス腱断裂治療のゴールを「アキレス腱をつなげ、その後、断裂前と同じようにスポーツを楽しむことができるようになる」とするかどうか。
アキレス腱がつながったその先の明るい未来を担当医と一緒に描けるかどうか
これが大きなポイントではないかなと思います。
そのためには担当医(場合によってはリハビリ療法士さん)とのコミュニケーションが必要不可欠。治療方法のメリット、デメリット、さらにその後のリハビリスケジュールについてまで、事前にしっかりと話をすることが大切です。
アキレス腱断裂から復活までの道のりは長いです。信頼できる医療機関、担当医のもと、あなたの納得できる治療方法を選択するようにしましょう。
治療方法については当サポートサイトの次のページにもまとめています。良かったら参考にしてください^^
アキレス腱断裂データベース、アキレス腱断裂の輪、アキレス腱断裂用装具ギャラリー にご協力くださいm(_ _)m
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