手術と保存、どちらを選ぶべきか？

私は手術するかどうか、ものすごーく迷いました。

そもそも、アキレス腱は手術して繋げる、手術しなければ繋がらないでしょ？手術しなきゃスポーツ復帰はできない。常識というか、ほとんどの人はそう思っているはず。あなたもそう思っていませんか？

私も自分がアキレス腱を断裂するまでは、
アキレス腱は手術で繋げる
これが当たり前だと思っていました。

実はアキレス腱断裂の治療にはもう一つの選択肢があります。手術せず、ギプスや装具でアキレス腱が自然治癒するまで足関節を固定する 保存療法 です。

なんと実は人間の治癒能力でアキレス腱は繋がるんです。

手術はほとんどの場合入院が必要になるし、費用もかかるし、傷跡も残る。なにより痛そうだし、全身麻酔？下半身麻酔？いずれにしてもしんどそうです。手術しなくて治るならできれば避けたいところ。

しかし、身のまわりの人は口をそろえて言いました。
スポーツ復帰なら手術だと。

手術しないとちゃんと繋がらない。手術しないとまたすぐ切れる。手術しないと以前のように運動できない。

「ちゃんと繋がらない」というのがいまいちよく分かりませんが・・・。スポーツ復帰したいなら絶対手術と断言する整形外科の先生もいました。

結論から言うと、
アキレス腱断裂は手術しなくても治ります！
スポーツ復帰もできます！！

私自信、手術はせず、保存療法で復活しました！

・・・と、今は胸を張って言えますが、手術をするかどうか、治療方法の選択は、ものすごーーく迷いました（汗）

最終的に以前のように動けるようになるには、以前のジャンプ力を取り戻すには、どちらの治療方法がベストなのか。この決断が今後の選手生命を左右するのでは･･･。

とにかく迷いました。

身のまわりのアキレス腱断裂者で手術しなかった人はいなかったし、なんというか、感覚的に、手術しなくてほんとに大丈夫なの？治るの？という漠然とした不安もありました。

極度の心配性＆優柔不断の私は、

1. 中規模な病院の整形外科
2. いつもお世話になっている整骨院
3. 大きな総合病院の整形外科

なんと1日に3つの医療機関で相談する暴挙に！（その様子は、私の体験談 アキレス腱断裂から復活まで を参照してください^^;）

その後、紆余曲折をへて、いつもお世話になっている整骨院にて保存療法で治療することに決定。治療方法の決定だけで、ほんとにたくさんの人にお世話になりました。

同じように手術しようか迷っているあなたのために･･･なるかは分かりませんが、そのときに聞いた治療方法に関する情報を以下にまとめます。

各医療機関で診察時に聞いた話のまとめ

中規模な病院の整形外科
【勧められた治療方法】 手術

• スポーツ復帰したいなら絶対手術！

いつもお世話になっている整骨院
【勧められた治療方法】　保存療法

• 手術しなくても完治する。スポーツ復帰できる。
• 手術よりも回復が1～2週間程度多くかかる。
• と言っても完治まで半年から1年かかるケガ。回復が早い遅いは誤差程度。
• 再断裂の可能性はどっちでも大差なし。切れるときは切れる！
• 保存療法なら手術による合併症のリスクもないし、傷跡も残らない。

大きな総合病院の整形外科（外科部長）
【勧められた治療方法】　手術 or 保存どっちでもOK

• 基本的に手術してもしなくてもスポーツには復帰できる。
• 手術した方がギプスの固定期間が短いので回復が早いケースが多い。
• 早いと言ってもプロ選手のように1日でも早く復帰する必要性がないなら深く考えることはない。
• 再断裂の可能性もそれほど変わらない。再断裂するときはどっちでもする。
• 医者は自分が得意で慣れている治療方法を患者に勧める。
• この病院では手術するケースが多い

 

こんな感じです。どの医療機関もお勧めの治療方法を教えてくれるものの、最終的な治療方法の決断は患者自信にゆだねられました。

だから迷うんですよね・・・。

手術、保存どちらの治療方法でも、
断裂後6ヶ月の時点での筋力測定の結果に差はない
という研究報告もあるようでした。

とりあえず、手術しなくてもスポーツ復帰できるってことは確かなようです。

私は最終的に「あなたが信頼する医者の元で治療するのが一番」という外科部長の言葉が決め手となり、いつもお世話になっている整骨院にて保存療法で治療することに決めました。

手術と保存、どちらを選ぶべきか迷ったら、
あなたが信頼する医療機関が勧める治療方法を選択する
これを私はおすすめします。

と言っても、私のようにケガが多く、普段から医者のお世話になっている人は少ないですよね（笑）。普段、医者には全くかからないから、信頼できる医者なんていない、分からない。そういう人がほとんどだと思います。

そんなときは、
たくさん会話、気軽に質問できるお医者さんを選ぶ
と良いです。

アキレス腱断裂の治療は長期にわたります。普通のケガに比べて身のまわりに経験者が少ないアキレス腱断裂では、治療やリハビリで疑問、不安がたくさん出てきます。

もちろん、地元の評判、口コミなども参考になると思いますが、疑問を感じたときに、気軽に質問できるお医者さんだと、きっとあなたの不安を取り除いてくれます。

精神的にも追い込まれるアキレス腱断裂。できるだけストレスの少ない治療ライフを送るためにも、遠慮せず相談できるお医者さんを選んでください。

それでも手術にしたら良いのか、保存にしたら良いのか迷ってしまう、というあなたは、次の 「手術療法と保存療法の比較」 ページも合わせてご覧ください。そこに書きましたが、私個人的には、治療費用やその他のリスクなどから総合的に判断すると、

『保存療法で、装具などで再断裂の危険性を減らし、早い段階から歩行を開始する』

という治療がベストなのではないか、と考えています。

≫ 手術療法と保存療法の比較

 

保存療法をご検討中のあなたへ

私はアキレス腱断裂は、保存療法でも十分完治すると考えていますが、一つだけ注意が必要です。

手術しか治療経験がない、もしくは保存療法の経験が乏しいという病院では、保存療法の治療は昔ながらの「長期間のギプス固定」になるケースが多いようです。そうなると治り具合、再断裂の確立も手術に比べ劣ってしまう確率が高くなります。

固定期間が長くるなると足首の可動域、筋力の回復に時間がかかり、正常歩行、スポーツ復帰までの期間が長くなってしまう可能性が高くなります（これは手術した場合も、固定期間が長ければ同様ですが）。

なので、そういう病院では、保存療法はおすすめできません。保存療法を選ぶなら、保存療法に自信、実績のある病院、治療院で治療を受けるべきです。

もし、今受診されている病院が、保存療法の経験が乏しいという場合は、別の病院にも相談することをおすすめします。できればスポーツドクターや、保存療法の経験があるお医者様をお探しください。

 

参考 : トップアスリートでも保存療法でアキレス腱断裂から復活

アキレス腱断裂の治療方法では、『スポーツ復帰するなら絶対手術 』という意見がまだまだ根強いですが、ネットで検索すると『保存療法でスポーツ復帰』という記事も目にするようになってきました。

近年は保存療法が見直され、トップアスリートでも保存で治す機会が増えているようです。オリンピック選手でも保存療法で治したケースもあるそうですよ。

実はあのテニスのクルム伊達公子さんも保存療法で復帰しています。

≫ あのアスリートも切っていた！？ – クルム伊達公子（テニス）

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