アキレス腱断裂前の予兆？

私は小学５年でバスケットボールを始め、中学、高校、大学とずっと大好きなバスケに夢中でした。大学卒業後は、地元企業に就職。社会人となってからも、平凡な毎日を過ごしながら、バスケへの熱い気持ちをメラメラとくすぶらせていました。

社会人になったって、体が動くうちはとことんバスケをやりたい！

近くに社会人のクラブチームはいくつかありましたが、どのチームもバスケを楽しむ程度と言いますか、真剣に取り組むチームは存在せず・・・。とりあえずバスケができる環境を求めて、知り合いのチームに所属しましたが、学生上がりで血気盛んだった私には物足りなかった。

そこで社会人２年目の2004年、私と同じようにバスケ熱をくすぶらせていた大学バスケ部の先輩、後輩に声をかけ、自分たちで新しくクラブチームを作ることを決意。私はキャプテン＆監督として、チームを創立しました。

初年度はチームメンバーが少なかったので、市内の小さな大会にのみ参加。幸いメンバーに恵まれたこともあり、出場した大会では優勝するなど好成績を残すことができました。とは言え、それは規模の小さいローカル大会でのこと。県大会を制覇し、地区大会を勝ち抜き、そして、いつかは全国大会へ。大きな目標を掲げ、次年度、チームは本格的に活動を開始します。

そして迎えた、2005年4月。チームはいよいよ県大会に参戦することになりました。このデビュー戦で結果を残して大きな一歩を踏み出したい。チームのレベル的には優勝も狙えるはず。組み合わせを見ると、２回戦でいきなり第１シードの前大会優勝チームと対戦。これは気合を入れてがんばらねば！

しかし、

大会に向けテンションを上げて練習をしていたある日、突然、私の右ふくらはぎに痛みが走りました。

「あれ？筋肉痛かな？」

気にせず練習を続けていると、どんどん痛みが強くなります。

・・・

なんかおかしい。

ダッシュやジャンプで右足に力を入れるとドンドン痛みが増す。筋肉痛とはちょっと違う、なんだか今までに経験したことのない痛み方。この痛みはいったい・・・ひょっとして肉離れ？・・・かな。悪化させて県大会に出場できなくなることを恐れ、私は練習を中断しました。

その日はもう県大会のわずか５日前。自分が一から立ち上げた新チームの記念すべき県大会デビューが、すぐそこに迫っていました。

翌日、いつもお世話になっている整骨院に行き、診察を受けると

「筋肉の奥の方にしこりがある。疲れだね。少し休めば大丈夫。」

とのこと。良かった、そこまで重症ではなかった。とりあえず肉離れでなくて一安心。どうやら大会に向けて張り切りすぎたようです。

「少しってどれくらいですか？」

「まぁ、１週間も休めば良くなるんじゃないか」

県大会は２週にわたって開催され、１週目は１回戦のみ、２週目に２回戦以降が行われます。全治１週間ということなので、４日後の１回戦は厳しいですが、その翌週の２回戦、前大会優勝チームとの対戦にはなんとか間に合いそう。残念ですが１回戦は欠場することにしました。

県大会１回戦、私は出場しませんでしたが、チームメイトの活躍で危なげなく勝利。無事、２回戦へとコマを進めました。それまで私は１週間練習を休み、療養に専念。おかげで右ふくらはぎの痛みはだいぶ良くなりました。

２回戦の４日前、ふくらはぎに痛み感じませんでしたが、まだなんとなく違和感が残っていたため、大事をとってチーム練習への参加は見送り。自主練であまりふくらはぎに負担がかからない程度に軽く汗を流しました。

２回戦の２日前、この日は試合前最後のチーム練習日。このままチーム練習無しではさすがに試合感覚が鈍ってしまう。ふくらはぎの痛みがぶり返すんじゃないかという不安はあったものの、チーム練習に参加することに。どのみち、この練習で痛みがぶり返すようなら試合に出てもどうせすぐに痛くなる。決意を固めてチーム練習をこなしました。

９日ぶりに行ったゲーム形式の練習の中で、ダッシュもジャンプも問題なし。精神的な不安はあったものの、痛みがぶり返すことなく、気持ち良く練習をこなすことができました。

とりあえず一安心。これなら前大会優勝チームとの大一番に出場できそうです。

しかし･･･

思い起こせば、これが悲劇の始まりだったのかも・・・。決して無理をして練習したつもりはなかったし、右足に気を使っていたつもりもありません。だけど、

これまで痛めていたのは右ふくらはぎ。

このあとアキレス腱を断裂したのは左足。

 

このとき、

無意識に右足をかばって左足に負担がかかっていた

のかもしれません。

 

心待ちにしていた我がチームの県大会デビュー。前大会優勝チームを相手に最高のパフォーマンスを発揮したい。

直前の１週間は疲れを残さないよう、寝る前にいつもより入念にストレッチをしていました。さらに日帰り温泉施設に行ってゆっくり湯船につかり、十分に体をほぐしたりもしました。むしろ普段より体に気を使っていた気がします。

 

そして・・・

いよいよその日を迎えます。

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